国内投資だけで安心か!?


ここでは、投資の必要性を踏まえたうえで

日本国内のみではなく世界への投資の必要性について見ていきます。

 

では、投資の代表格である「株式投資」を例に考えてみたいと思います。

 

1.国内市場と海外市場の違い(株式投資)

左のグラフは東証株価指数の推移を表してます。過去30年で殖えるどころか約2割下がってます。

つまり、日本だけに株式投資した場合、資産を減らしてしまったことを意味します。

※日本を代表する東証の上場企業全銘柄へ投資した場合を想定

次に、右のグラフは日本を含めた世界の先進国の企業へ投資した場合の推移です。同じく30年で約4倍、年間利回りは平均11.6%となってます。

世界的危機で下がることはあるものの、長期的な視点で見ると上昇してます。

次世代の世界経済をけん引するであろう成長著しい新興国の国々に限ってみれば驚異的な数字が出てます。

30年で約9.5倍となっておりますが、上がり下がりのブレが激しいのでリスクを考慮しての関わり方が大切になります。

2.人口増加と人口ボーナス期

新興国(BRICs、ネクスト11)は人口の増加に加え、生産年齢人口の割合が大きくなり経済が活発化する人口ボーナス期へ突入し安定的な成長段階へ入ることが予想されています。

今後大きな成長が見込まれ投資対象として欠かすことができない注目の世界市場の一つです。

 

BRICs:

 ブラジル、ロシア、インド、中国

ネクスト11:

 ベトナム、韓国、インドネシア、フィリピン、バングラデシュ、パキスタン、イラン、エジプト、トルコ、ナイジェリア、メキシコ

ここからは、現在の日本の状況についてみていきます。

 まずは人口についてです。

 

3.日本の人口と高齢者割合

   日本の人口割合の推移    (出典:総務省統計局資料より作成)

 

上のグラフは世界と日本の人口の推移と世界人口に占める割合を表しています。

大きく増加する世界人口に対し、減少傾向にある日本の人口の割合は小さくなってきています。

約70年前は「30人に1人」でしたが、現在は「55人に1人」、約25年後には「100人に1人」となることが予想されています。

 

 

次のグラフは高齢者人口およびその割合の推移です。

 

65歳以上の高齢者人口が総人口の21%を超える「超高齢社会」にすでに到達している日本は、今後も高齢者の占める割合が大きくなることが予想されております。

現在28%ですが、約20年後の2052年には35%まで達することが予想されております。

 

言うまでもない事ですが、社会保障費が今後さらに増大していくことは間違いありません。

 

     高齢者人口および割合の推移    (出典:総務省統計局)

 

上の2つのグラフからわかることは、

日本の生産年齢人口は絶対数、割合ともに着実に減少してきており

今後大きな成長を見込むことが難しいということです。

 

 

4.日本のGDPと世界のGDP

そして、そのことを表しているものが次のグラフです。

各国のGDP(国内総生産)の推移を表しています。

 

かつて世界2位であった日本は1990年代半ばから

成長が止まったかのように横ばいで推移しています。

 

現在3位に位置していてるものの、

2016年度時点での日本のGDPは、2位の中国の半分、1位の米国の4分の1に

とどまっています。米国、中国との差は今後さらに広がる予想です。

 

 

   主要国経済規模(名目GDP)推移    (出典:IMF統計)

 

そして、世界に占める割合で見ると日本のGDPは約5%程度となっています。

米国、中国の成長カーブをみると日本の割合はさらに小さくなっていきそうですね。

 

ひと昔である10年前、日本のほか英国をはじめEU諸国が上位を占めておりましたが

今後、中国、インド、ロシア、ブラジルに続き、インドネシア、フィリピン、ベトナムが

順位を上げてくる予測が出ています。

先に上げた新興国(BRICs、ネクスト11)の国々です。

 

2018年現在、世界のGDP総額は約80兆米ドルですが、

 2030年 130兆米ドル

 2040年 190兆米ドル

 2050年 280兆米ドル

と10年ごとに「1.5倍」に増えていく予想です。

 

これは上記に挙げた国々によって世界の経済規模は急速に大きくなっていく

ことを示しています。

 

従って、今後日本は経済的に影響力の小さい国のひとつになっていく可能性が高く、

生き残っていくためには他の国の成長に依存した戦略が不可欠となり、

投資の世界においても日本国内にとどまらず積極的に海外での運用を考える必要が

出てきます。

 

 

投資地域については日本国以外の成長著しい国へ

保持する通貨については円通貨のみではなく他国通貨へ、特に基軸通貨であるドルへ、

 

と「国際的な分散投資」が今後リスクを抑えながら資産を大きく殖やすために

不可欠となります。